一般社団法人島根城下町食文化研究会とは

一般社団法人島根城下町食文化研究会とは、島根県松江市及び出雲市を実証対象地域として、両市の魅力度・価値向上に取り組む事業を実施する研究会です。

島根県松江市は、ふるさと名物応援宣言として「松江城下の歴史と文化を活かした城下町ツーリズム」を宣言して、インバウンド等の観光を振興していくことを進めています。

松江藩7代藩主であった松平治郷(不昧公)が築いた独自の「茶の湯世界」は、茶室や陶芸、茶道具、お茶、和菓子、書、生け花、さらには茶懐石などの「食文化」にまでつながる裾野の広い総合文化として現代の松江にも根付いており、空間と食を楽しむ日本の究極の食文化である「茶懐石の文化」は、松江市の「ふるさと名物」として取り上げられています。

この歴史的な食文化は「城下町食文化」として日常生活に残っており、この度の取組で、「一般社団法人島根城下町食文化研究会」では、この食に関する空間を室内・屋内・食卓にしつらえる技と共に、この食文化そのものをビジネスとして展開することを目指しています。

 

事業の柱

以下4項目を事業の柱とし、取り組んでいます。

  1. 新しい旅のスタイルとして、「学び・体感する」旅を神話の歴史と文化の町、松江・出雲で企画する(再び訪れたい地を目指す)
  2. 全国の神々が集う出雲の生活と庭園の生活様式を「学び・体感する」企画(新しい生活スタイルの移住・2拠点居住・ワーケーションの地としての価値を醸成する)
     ~ビフォアアフターの匠と伝統的住宅と建築様式・庭園のある暮らしをテーマにシンポジウムを交えて「学び・体感する」新しい旅の検証に取り組む~
  3. 高齢者・障がい者等を含む観光旅行者が安心・安全に松江・出雲の旅を満喫できる移動手段の活用とコンテンツ作りを実証する(リフト付・万全なコロナ対策を整備した観光バスを活用し、モニターによる調査)
  4. 1.~3.までの事業を記録し、次なるステップとして映像による観光の企画コンテンツの一つとする。

 

研究会メンバー

実施主体構成企業

  • 山善商会有限会社
  • 株式会社タケダ造園
  • 株式会社藤原木材産業
  • 有限会社二幸

 

資金管理・庶務・書類作成補助等

  • 藤原恵子(臨時雇用)

 

協力団体

  • 島根県観光振興課
  • 松江市観光文化課
  • 有限会社パリティクラブ
  • 島根県商工会連合会
  • 松江商工会議所
  • 出雲商工会議所
  • 文化伝承館
  • 出雲流庭園保存会
  • 日創研島根経営研究会
  • 三斎流家元
  • 島根県中小企業家同友会
  • その他

 

 

事業内容

国土交通省観光庁 令和2年度誘客多角化等のための魅力的な滞在コンテンツ造成

日本全国の神々が集う島根の生活文化の旅~出雲流庭園と茶の湯を学び体感する新たな旅の発見~

 

①暮らしのシンポジウム(2回)

【日程】

令和3年1月26日(火)
令和3年2月14日(日)

【価格】

無料(モニター)

【概要】

これからの暮らしについて、建築の匠を講師としたパネルディスカッション方式シンポジウムを開催。
シンポジウムを座談会方式とし、参加者が講師やパネラーに質問を問いかけることで相互作用の体感を生む発見の場を創出。
2回のシンポジウムメインテーマを「建築と暮らし」と「庭園と暮らし」に分けることで、より具体的な内容での開催にする。

【特徴】

建築と暮らし」テーマでは、出雲地方における家屋は大きな建築物が多くあったが、現在はライフスタイルの変化とともに小さくスマートな建物へのニーズが高まっている。しかし、建築の知識は専門的で分かりづらい。その課題を解決する糸口を提供する。
「庭園と暮らし」テーマでは、多様化するライフスタイルに合わせた多彩な庭園スタイルこそ、暮らしの豊かさを高める重要なキーワードであり、これからの建築及び庭園はそれを実現することができるほどに進化していることを共有し、大きな魅力の存在を提示する。

【詳細】

ツアー詳細

 

 

②出雲流庭園・これからの建築体感の旅(日帰り2回)

【日程】

令和3年1月26日(火)
令和3年2月14日(日)

【価格】

無料(モニター)

【概要】

出雲流庭園の歴史文化、将来におけるライフスタイルの変化を見据えリフォームを前提に建築した住宅、出雲での移住・2拠点居住・ワーケーションの可能性を体感する。

【特徴】

建築・文化の専門家と同行し、展示場等にて出雲での生活環境と新しい暮らしのできる建物・リフォーム等に触れ、これからの移住・2拠点居住・ワーケーションの環境を体感するとともに、出雲の暮らしを出雲流庭園の伝統(庭、茶の湯、和菓子、工芸品)を体感できる。

【詳細】

ツアー詳細

 

 

③出雲流庭園体感の旅(1泊2日/1回)

【日程】

令和3年2月3日(水)~4日(木)

【価格】

無料(モニター)

【概要】

出雲流庭園の歴史文化をその源流である国宝松江城の城下町文化の学びとともに、伝統ある技術を継承する専門家職人と体感できる2日間。
少人数グループに分かれて、新型コロナウイルス感染症防止対策を綿密に実施した安全な環境で教室(庭、茶の湯、和菓子、工芸品)を体感できる。

【特徴】

出雲地方独特の庭園文化を中心とした歴史伝統文化を実際に体感できる。
1日目はその源流となる国宝松江城の城下町文化を体感する旅で、松江城藩主、松平不昧公の残した業績としての松江の城下町、庭園、茶の湯文化がどのように庶民に親しまれていったかを学ぶ。
そして、その継承が出雲地域で生活する人々の富を象徴する独特の庭園文化へといかに繋がっていったかを辿る。
この2日間は、文化に五感で触れることを最重要テーマとしているため、2日目においては各専門職人が直接伝統技術を指導することで、出雲文化の深さを堪能することができる。

【詳細】

ツアー詳細

 

 

④日本唯一の神々の降り立つ稲佐の浜の清掃と浜での瞑想体感の旅(1泊2日/1回)

【日程】

令和3年2月6日(土)~7日(日)

【価格】

無料(モニター)

【概要】

出雲風土記を通じて出雲の食と歴史を愉しみながら学び、日本唯一の神々が降り立つ浜を清掃を清掃し、きれいになった浜での瞑想体験を通じて気の浄化と心の安らぎを体感する。
※広島からの誘客と酒蔵巡りは中止となりましたので、一部変更します。

【特徴】

島根の食・暮らしと神々の繋がりを酒造りや風土記から学び、そのうえで日本で唯一の神々が降り立つ浜の清掃体験を通じて日本人の心(反省・感謝・恩返し)を呼び覚まし、日本人としてのアイデンティティを体感できるこの地でしか味わえない旅であること。

【詳細】

ツアー詳細

 

 

今までの取り組みとその事例

平成29年度補正グローバル企業展開・イノベーション促進事業費補助金(JAPANブランド育成支援事業)に係る補助事業

参画企業

  • 山善商会有限会社
  • 石見食品株式会社
  • 株式会社タケダ造園
  • 有限会社けんちゃん漬

内容

日本特有のおつまみ文化(酒肴、副食材、おやつ)と日本食環境文化(和庭・箱庭)のEUの中心地域であるフランス、パリでの市場の可能性を見出すため調査を実施しました。
おつまみ(OTSUMAMI)販売を目的としたアンテナショップを設立するための市場調査と将来の現地製造の可能性も合わせて調査することを目標に、滞在期間中4社の現地企業訪問と3か所での試食会、現地流通事情調査、パリ造園学校での意見交換等を行いました。

  • ワインショップやレストランでのプレゼン
  • シアル(世界最大の食の展示会)の見学と出店業者との打ち合わせ
  • パリ市立造園学校にてヒヤリングを実施
  • オーガニックワインとチーズの専門店にておつまみや豆腐の提案と店内利用者への試食
  • パリのレストランにてオーナーシェフへプレゼンテーション
  • 株)パソナ農援隊の田中社長様とパリの食品流通市場についての意見交換
  • パリ市内にある専門店・量販店での市場調査

今後のフランスでの展開に当たり、各社の課題が明確になったということが最大の成果です。

規制の厳しい魚介系の加工製品の輸出、賞味期限の短い豆腐製品の新たな商品開発、乾燥漬物の流通戦略、和庭庭園の技術と周辺資材の流通など具体的な懸案をどう解決するかが次年度への計画の中心になります。

それだけ、その市場がまだ未成熟であるとも解釈でき、その打開によって十分市場に参入できる手ごたえは得ることができました。

シアル1パソナ農援隊レストラン訪問ワインショップ訪問ワインショップ訪問ワインショップ訪問

 

このプロジェクトのブランディング

島根企業発の日本固有の食環境文化「OTSUMAMI」「TOHU」「TSUKEMONO」「WANIWA」の価値提案マーケティング

 

テーマとコンセプト

  • テーマ:「海外展開の可能性を探る」
  • コンセプト:「日本固有の食環境文化「OTSUMAMI」「TOHU」「TSUKEMONO」「WANIWA」の価値提案を通じて、食と環境のJAPANブランドを確立する」
     ※サブテーマ:「企業組合を活用した島根企業の海外展開の起点プラットフォームづくり」

 

ターゲット

  • 日本文化(特に食住)に関心のある20~50代の現地人
  • 子供の健康に関心の高い現地の若い母親とその親、仏在住の日本人とその家族

 

おつまみを海外に向けて発信したい理由(ターゲット全体像)

おつまみ製品を食べ盛りの小さなお子様への噛む健康おやつとして提唱。

好き嫌いの助長や食べ残しを誘発する食事前のおやつに、噛むことを促す固いするめや小魚、海藻系を取り入れることで満腹中枢を刺激し少量でも空腹をやわらげることができ、高カロリー・高脂質・高糖質の3Kおやつから、低カロリー・低脂質・低糖質の3Tおやつにシフトし、おやつをコントロールして親の作る美味しい食事をしっかり取ることで、食の大切さがわかる大人に育てることを使命とする。

家族が揃って親の手料理を楽しむことは、家族間のコミュニケーションを促し、親子間の伝承や愛情確認など食卓を囲むことの持つ機能を最大化させる。

今、日本では3世代の大家族から核家族化が加速し、働き手不足から女性、特に母親の社会進出が進み、子供の塾通いも手伝って、ますます家庭で家族そろって食卓を囲むコミュニケーションの機会はなくなっていく。

それでも、親子関係を大切につなぎとめるのは家庭の食卓であり、そこで醸成される団らんである。

お金を与えてのお菓子の買い食い、出来合いのもの、コンビニ弁当や総菜が続くことが、本当の食事を大切さを学ぶ機会を阻害している。

子供にとって大切な食卓のコミュニケーションを親は自ら奪ってはいけない。

子供にとって、手作りの親の味が親を頼りにし尊敬しその恩恵を次の自分の子の世代へと受け継がせるのだと考える。

機能性を持ったおつまみ製品が、おやつをコントロールすることを助け、ひいては日本の良き食卓の文化も守る。

このことは日本のみならず、海外でも言えるのではないかと考える。
単にお酒のおつまみだけでない、おつまみ研究所が追及する価値提案の狙いは以上である。

 

おつまみ・造園・豆腐・漬物で発信する松江のランドストーリー

人口減少が進む地方都市の中でも島根県各市町村は、全国有数の過疎化進行地域である。

地元に依存したビジネスでは細る一方。

そこで地元企業でも同業異業種連携を模索し、県内外~世界を一つの市場としてとらえ新たな価値提案グループとしてタッグを組み、それぞれの活路を見出していくことも既存事業と同時並行で進めなければならないと考える。

この4社はその志をもち、島根に根差す業者として、島根の中小企業の海外への価値提案と市場創造に向かう先駆者として先鞭をつけるためにこの度集った。

それぞれが自社の製品にこだわりを持ち、思いを込めて製造している日本の食卓に欠かせない副食材が織りなす文化と、日本的環境の筆頭にも上げられる和庭の欧州での価値提案は、島根の中小企業でも十分にJAPANブランドとして興味関心を持っていただけるものと考える。

そして今回のテストマーケティングは、将来の島根マルシェへの試金石にもなる。島根の中小企業の海外展開へのプラットフォームをつくり、地域の仲間たちが地域の素晴らしい価値発信にチャレンジできる場作りもしていきたい